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空き家・空地が増える問題と理由

1950年代の高度成長期から1990年代のいわゆるバブル崩壊くらいまでは、土地を所有してさえいれば、不動産価格は上がり続けて、土地を担保に金融機関もお金を貸出ししてくれて、余程の投資の失敗でもない限り資産価値も上がり続ける【土地神話】というものがありました。

今でもアパートを所有していれば、また、ワンルームマンションを所有していれば年金の代わりになると、今でも不動産会社は営業文句として唱えていますが、既に不動産は、その不動産があるエリアで既に価値のある不動産と、価値も無い不動産に分けられ、不動産を学び経営するという感覚が無ければ、結局、賃貸経営も上手くいかず最後には騙されたと口にする事になります。

空き家・空地が増える理由を3つ説明したいと思います。

イータイム

執筆者

Web担当 イータイム

不動産の所有者不明を無くす法律改正

不動産を所有している方が亡くなっても、不動産の所有者を変更する相続登記をしなくても良いというのが、原因に一つになっていると思います。相続人が沢山いればすぐにこの不動産は誰が相続すると決まらない事も多いと思いますが、一時だけでも構わないので、相続人全員での相続仮登記を済ませて、固定資産税の支払義務者を全員の連帯債務者とする事が必要かと思われます。

相続登記には、登記の印紙代が掛かりますが、それも相続の仮登記を出来るように無料とかにして、最終的には数ヶ月以内に相続登記をしなければ罰則があるという法律改正で相続登記を強制にしなければ、所有者不明の不動産は無くならないと思います。

相続登記で名義変更が強制で行われれば、取り敢えず無償だから貰っておこうという相続人も減り、その不動産が売却出来たり、利用価値のある不動産なのかを見極める事を真剣に考えるようになり、利用価値が無いと判断すれば無償でも手放す方が多くなると思われます。

かんたん新築計画

被相続人の認知症等による不動産活用の停滞(成年後見人)

被相続人等の親が介護施設に入所したいが、認知症や知的障害を伴っていて意思表示をするのが困難で判断能力に欠けていると不動産に限らず、財産の処分などが出来ない。

不動産を売却するのには、成年後見人が必要となります。成年後見人は認知症などになられた本人に代わって不動産を含む財産管理や介護施設入所への契約、遺産分割の協議などを行う事が出来ます。

本人の能力によって、後見人(判断能力が全くない)・保佐人(判断能力が著しく不十分)・補助人(判断能力が不十分)と3つの分類があるが、一般的には、後見人が必要となるケースが多い。

成年後見人には、親族のほか、弁護士、司法書士、社会福祉士、法人、市区町村長が成年後見人になることができる。最近では一人暮らしの高齢者が増えた最近では、市区町村長が成年後見人になるケースも増えている。成年後見制度の申し立てが行えるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官、市区村長となっている。

家庭裁判所に『成年後見制度開始』を申し立てる事から始めて、すぐに認められる事は無く、約6ヶ月から長いと1年近く掛かってしまう。申立ては、司法書士、弁護士、子供が多くなっており、後見人が子供で、裁判所が必要と認めた場合には、後見人を監督する後見監督人として、弁護士や司法書士が選ばれる。また、申立てがあると裁判所から依頼された医師が本人の意思能力を評価判定して、その診断書を裁判所へ提出する事になる。

様々な裁判所への手続きの煩雑さや、不動産売却に比較事例やその価格で売却するのは妥当な金額かの判断を裁判所に提出して許可を貰う為に、スピードが要求される不動産取引では、停滞してしまう事もある。

成年後見人制度は、認知症となる方も増えてきた高齢化社会で必要な制度であるが、不動産売買してお金を必要とした際に、何ヶ月も後見人になる許可を裁判所から得るのに時間が掛かるのは、不動産売買にはマイナスとなっていて、手続きも煩雑な為に、必要に迫られないのであれば相続人となる子供等も不動産を空家、空地として、そのままにしてしまっているのが現状であると思います。

かんたん新築計画

人口減少による不動産価値の下落

空家、空地が増えてきたのは、やはり人口減少による不動産価格の下落が一番大きいと思います。上記の相続登記が強制でない事や、認知症などの不動産売買の停滞もありますが、人口減少する場所に人を誘致して人口を増加させ、住まわせられなければ、不動産の価値は上がりません。

日本全体で人口が減っている以上、何処かの街の人口が一時的に上がっても、何処かの街の人口が減ったという状態からは抜け出せません。

オリックス子会社の大京というマンションディベロッパー会社がありまして、創業当時は那須高原のリゾートの土地の売買して大きく成長しました。その昔という事になりますが、那須高原や軽井沢でも別荘を所有しているとステータスとされていた時代がありました。

人それぞれの価値観でありますが、今では、軽井沢の星野リゾートの高級ホテルに宿泊した方が別荘を所有するよりも良いという方も多くなったともいます。それもリゾートの不動産価格が下がった故に出てきたホテルと言えると思います。

相続の場合は相続登記をして所有権移転が売買の条件であるので、相続登記をして所有権移転をしないという事は、売買がスムーズに出来る訳でも無い不動産が多くなってきていて、不動産の価値が日本全国で下がっていると言えると思います。

不動産の未来は

今は、アパートを所有しているから、ワンルームを所有していて収入があるので安泰という時代ではありません。金融機関から借入をして安易に購入してしまったけど完済した頃には、その所有しているエリアで賃貸など考えられないという事になっている可能性もあります。

また、古くなって空室だらけの賃貸物件では、売却も困難を極めるか、安くなってしまう事も多くなっています。日本の人口が下がり続けたら、その時には、外国人の方の移民を一定数許可せざるを得なくなっている可能性もありますし、不動産の未来はきっと誰にも分かりません。

ただ、東京都や神奈川県などの繁華街やその近いエリア、当然不動産価格も高いのですが、不動産価値が余り下がらないと思われるエリアでなければ、賃貸経営等は難しい。これからはそんな購入するエリア選定する目を養わなければ、サラリーマンの楽な副業では無いと思った方が良いと思います。

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