都市銀行・地方銀行・信用金庫などの違いとは?
都市銀行・第一、第二地方銀行・信用金庫・信用組合・新形態の銀行とかを聞いた事があると思いますが、意外と知らないその区別されている基準。
金融業界も昔は安定安泰で給与が高い職業と言われていたが、早めに手を打たなければ吸収合併、倒産も普通に有り得る厳しい収益となりつつある。
大手金融機関と言われていても生き残りへの戦いが待っています。
かつては横一列に並んでいた金融機関のサービス内容も、今は金融機関ごとにかなり異なってきている。
まずは、その金融機関ごとの区別の基準を説明します。
執筆者
第一支店 鈴木愛美
都市銀行とは
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3大メガバンクと言われる3行、りそな銀行・埼玉りそな銀行のりそなホールディングスが都市銀行となっています。東京や大阪に本店、全国主要な県庁所在地に支店を置く普通銀行で、法律で位置付けられた明確な基準はありません。
地方銀行とは
本店所在地を中心とする地域で営業する。旧国立銀行の流れをくむ地方銀行が64行で愛知県以外を除く各都道府県に存在している、旧相互銀行が中心の第二地方銀行が39行ある(銀行数は2019年4月1日現在)。
第二地方銀行39行の「第二地方銀行協会ホームページ」
資本増強や業務効率化などの目的で、地方銀行においても合併や金融持株会社設立による経営統合が盛んに行われるようになり、地方銀行から発展した金融持株会社を含めると以下の順位となる。
- コンコルディア・フィナンシャルグループ
(総資産:18.6兆円)
※横浜銀行・東日本銀行 - ふくおかフィナンシャルグループ
(18.2兆円)
※福岡銀行・熊本ファミリー銀行 - めぶきフィナンシャルグループ
(16.1兆円)
※足利銀行・常陽銀行 - 千葉銀行
(14兆円)
※2016年に埼玉県の武蔵野銀行と包括提携 - ほくほくフィナンシャルグループ
(12.3兆円)
※北海道銀行・北陸銀行
信用金庫とは
信用金庫法に基づく金融機関で、中小企業や個人を対象にした会員制度による協同組織です。
営利を目的とせず、地域社会や会員のための利益を優先しています。業務内容は、銀行同様預金・融資・為替業務が中心で一般の銀行と特に変わりはありません。なお営業地域は一定の地域に限定されており、預かった資金はその地域の発展に生かされている点は、営利が目的である銀行とは大きく違う点です。
会員の資格は、地区内に住所や居所、事業所がある個人などで、法人の場合は従業員300人以下か資本金9億円以下という事で、それ以上の会社規模になるといわゆる融資取引が難しくなります。信用金庫の代表機関は全国信用金庫協会で、中央金融機関は信金中央金庫となります。
信用組合とは
中小企業等協同組合法の金融事業に関する法律に基づく協同組合です。
主な組合員は中小零細企業や生活者で、信用組合の営業エリアの組合員を対象とした「地域信用組合」、同じ事業を営む組合員を対象とした「業域信用組合」、同じ職場の組合員を対象とした「職域信用組合」という3種類の組合があります。
こちらの組合員資格は信用金庫の会員資格に似ていますが、さらに規模が小さい法人を対象としています。法人の対象は、従業員300人以下または資本金3億円以下、卸売業は100人以下または1億円以下、小売業は50人または5,000万円、サービス業は100人または5,000万円と決められています。
その他の新たな形態の銀行
ネット銀行と呼ばれる、ジャパンネット銀行、ソニー銀行(ソニーバンク)、楽天銀行(旧:イーバンク銀行、e-Bank)、住信SBIネット銀行。流通系銀行と呼ばれる、セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行などが金融庁に銀行免許申請して業務を開始している。
ネット銀行など駅前などに店舗開設する事以外に金融業として収益確保の方法として、ネットでの集客やコンビニや流通店舗でATMだけの兼業としても利用客を求められるとの考えで始めているので、これからは新たな形態の銀行も含めたお客様がサービスや利便性に応えられるかで、何処が生き残っていく金融機関なのかが今後決まっていくと思います。