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擁壁のある土地の売却相談

擁壁のある土地を売却するのには、知識が無ければ売却の値付けがお客様と出来ないのですが、不動産会社は何故売れないのか、売り難いのかの理由を説明出来ない知識のない方が多いのが現実。

先日、千葉県勝浦市で相談を受けた土地について話しましょう。

小坂 輝

執筆者

第一支店支店長 小坂 輝

千葉県勝浦市の擁壁のある土地売却依頼

ご相談を頂いたお客様は、5年前に上場企業のグループ会社の不動産売買仲介の営業の方と勝浦市にある地元の不動産会社に相談していたそうです。

近隣相場と比較して土地面積と駅からの距離などから価格をはじき出したら、どちらの会社も似たような価格で売却出来るとお墨付きを貰っていざ売りに出してから5年間、どちらの不動産会社からも音沙汰もなくなり、地元不動産会社からは、理由も無く価格が高いから売れないのでしょうと安易な回答があったそうです。

5年前この金額なら売れると言った言葉を理由も無く、売れない理由を単純に価格が高いと言ったとの事でした。

売れない理由1( 擁壁で日々階段を上る生活)

まず道路に沿って擁壁がある為に、建物は擁壁の上に建てなければならない。

千葉県勝浦市では、売りに出されている土地も多いので、その中でもわざわざ道路から階段を上って日々生活をする事になる土地を選ばなくても、道路とフラットな土地を同じ価格で購入が出来る。

要するに若いうちは良いのだが、年を取ってからを想像すれば、買物した食材を毎日階段を上って下りての生活であれば、土地価格はそれなりに安くなければ、その土地を購入する事をしないと思われる。

擁壁が無くて道路と平行な土地が今回の擁壁のある土地と同じような面積と価格で売りに出されていた。

かんたん新築計画

売れない理由2(建築基準法改正による)

購入した時には無かったが、今は建築基準法改正で、2mを超える擁壁の上に建物を建築するには、擁壁にも確認申請の取得が求められるようになった。

今回相談された土地は写真を見てもすぐに分かるような、明らかに2m超えるような擁壁で、その擁壁は確認申請は取得されていない擁壁であった。

その擁壁をやり直すには概算見積なのですが、工事費用が700~1000万円になるとの事であるので、5年前から売りに出している売却価格が800万円前後なので、上手く売却が出来ても良くて100万円が手元に残るような売却価格での取引となる。

売れない理由3(建築コスト)

擁壁の上に建物を建てるという事は、道路から建築材料を擁壁の上に運ばなければならない。擁壁の上に建築材料をクレーン車で吊って運ぶか、階段を人力で運びます。それだけで見積書を出さなくても建築コストが高くなるのが分かると思います。

土地購入費用と建物の建築費用を概算見積で出した合計金額で、高いか安いか購入者は検討して、融資の相談を金融機関とします。建築コストが高くなるのであれば、土地代金は安くして貰いたいと思うはずです。

今回の土地売却では、土地代金を安くして購入して貰って、建築費用は少し高くなっても建ててくれる方を探すことだと思いますが、またいつの日か、建物が古くなり、建替える時がくるので、そこまで考えると思います。

その際には既存建物を解体する費用も擁壁の無い道路とフラットな土地で、同程度の建坪の建物を解体する費用よりも解体費は高くなります。

さらに建物を建替える事を想像すると、土地購入を近隣相場の土地価格より多少安くしてくれて、土地購入をしたとしても、建物を建替えるなどを長い目で見ると土地の購入検討を躊躇するところになると思います。

売れない理由4(擁壁工事)

現在、建築会社は忙しく勝浦市内で擁壁工事をする会社を探すだけでも大変であり、数社に聞いてみると半年後の擁壁の造成工事になってしまうと言われてた。

おそらく東京オリンピックが終わって落着くまでは、建設会社は忙しいと思われる。

買主はいくら安くても擁壁の確認申請の取得が出来ない土地を購入するとは思えず、売主側で先に造成工事をした上で、きちんと擁壁の確認申請取得をしてから売りに出さなければ売れないと思われる。

先にどうにか買主を探して契約が出来たとしても、契約の条件の中に、土地の決済(引渡し)は、擁壁工事を完了して擁壁の確認申請許可を条件になると思います。

よって、買主を探してから半年近く待って貰って、やっと引渡すという長期スケジュールになり、勝浦市内には土地がたくさん売りに出されているので、擁壁のある土地を購入するのに契約した後に、更に造成工事で半年近くも待って、引渡を受けるような土地を購入するメリットは、安い以外の理由は見付けられないという事になる。

今回の売主の方にとって800万円で売れると期待していたのならば、話が全然異なってくる。固定資産税が毎年掛かっているので、それが無くなるから良いという感覚だけで売却を決断しなければならない。

売主の土地売却の結論

上場企業のグループ会社と地元の不動産会社の売却査定金額に反論するような事ですので、弊社社員もご立腹されると思いきや、土地が売り難い理由をきちんと説明すると、理解されました。

弊社では、千葉県勝浦市の最新の人口統計を確認して頂き、近隣で売られている土地との相違点と擁壁のやり直しに高額な費用が掛かる事を理解して頂き、70~100万円で土地を売り出して、実際は20~30万円が手残りの価格ですと社員が話をしたとの事でした。

その土地を買われた経緯を聞くと、約30年前のバブル経済の頃に、今は亡くなられたご主人と一緒に夫婦でいつか海の見える勝浦市の高台の土地に住もうと購入した土地だそうです。

売却の説明をしてご理解して貰えたので、それ以上、これから更に売れなくなるから、早めに売った方が良いなどと言う事も無く、説明を聞いて頂き有難うございましたと玄関を出ました。

悩み続けた約5年間が解決出来たと喜んでくれたようですので、私としては、弊社の代表に報告をすると、それで良いと言われましたので、ここで営業は終わりとなりました。

私自身もそれでももしまた土地は売却したいと、いつか話が戻って来たとしたら、更に5年でも経ってしまっていれば、売却の難しさも増しますが、その時に頑張れば良いと思いました。

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